どこにもいるサラーリーマンの・・・

昨日の静岡県のMさんのお便りいかがでしたか? 読み応えのある内容でしたね。教訓がいくつも得られました。 イカロス出版「ラシン」編集長N女史のご提案で始めた“現役世代からのお知恵 拝借シリーズ”、まだまだお便りが途切れません。 N編集長、読んでますか?次回特集の参考になるでしょ? さて、今日は団塊の世代の現役サラリーマンの方からのメッセージです。 共感される方も多いのでは・・・。

谷田貝さん  いつもメルガマを楽しく拝読させて頂いています。 谷田貝さんが提唱されているスローライフについては、私も同感です。  私の年代は、昭和24年(1949年)生まれの団塊の世代です。 中学~大学と受験戦争に追われ、偏差値に泣かされた世代です。  そんな競争の世界に浸かりながら、27歳で結婚し、2児の子供を育て上げ、 普通に平凡に生きてきました。  しかし、40歳後半に入ってから、何かむなしさを感じはじめました。 会社の中での立場も、上昇を求める欲求も特になく、そこそこにやってきました。  あと5年ほどで60歳の定年を迎えます。 年金は65歳からが満額で、60歳からは半額程度がもらえますが、当然、年金 だけでは生活できません。60歳からも生活のために働かなくてはなりません。  6年ほど前に、ゴルフ仲間とのタイ旅行がきっかけで、1年に2回程度タイに 旅行するようになりました。日本でのゴルフよりも値段が安いし、のんびり出来 るゴルフに魅了されました。  毎回、ゴルフとタイ式マッサージ、観光と買い物と食事で、1週間の旅もあっ という間に終わってしまいます。  帰国する日の空港に向かうタクシーの中での寂しいと、機内での次回の旅行へ の期待で、いつも心引かれる旅を経験してきました。  海外旅行は、韓国、台湾、上海と結構行っていますが、タイ旅行に限って、帰 国する日の寂しさをいつも経験しています。  当初の旅行は、バンコクが中心でしたが、最近は、チェンマイが中心となって います。 バンコクは、ゴルフにいくには朝早く出発しないと、渋滞で往復4時間以上の車 内の人になってしまいます。  その点、チェンマイは、片道30~40分で渋滞もなくいけますので、ゴルフ 後の2時間のタイ式マッサージも夕食前に出来ます。また、チェンマイの方がバ ンコクより、人がよさそうです。  私たちゴルフ仲間の旅は、航空券だけを購入して、ホテルは予約しないでいき ます。 1泊400~500バーツのホテルを現地調達しています。日程も決めず、天気 がよければゴルフ、観光と、その日の体調とあわせて、のんびりと日々を過ごし ます。  このような旅行なので、自分たちで少し覚えたタイ語でタイ人と折衝しなくて はなりません。 ですから、2年前からタイ語の勉強も始めました。  1週間1回、2時間ですが、ボケ防止も含めて勉強をしています。タイ国に興 味のある新しい仲間も出来ました。  このような経過の中で、1年前から谷田貝さんのメルマガを知り、読者の一人 となりました。  メルマガで紹介される谷田貝さんの知り合いのいろいろ人を知りました。 先日亡くなったカメラマンの橋田さんも初めて興味を持ちました。  今後、メルマガに期待することは、 ①タイ国内での政治的、経済的な動きと、それに対する谷田貝さんの意見   たとえば最近、タイにいる不法滞在日本人が多くなり、観光ビザを含めたビザを出さない   傾向にある。また、タクシン首相は、タイ国のイメージアップをするために風俗取り締まりを  厳しくしている。など日本人にとって、切り離せない情報を掲載してほしいです。 ②団塊の世代が高齢者となる社会で、誰もが不安を感じている老後の健康の問題、 日本 の介護保健制度では、私たちは安心を感じていません。  タイでの介護(老人ホーム等)受け入れの可能性など、高齢者のスローライフは、どう実現  できるのか、谷田貝さんの活動の広さと深さに期待します。  現在55歳のどこにもいるサラーリーマンの言いたい放題のメッセージです。 谷田貝さんのご健康と益々の活躍を期待しております。 神奈川県在住・東京都港区在勤  Oより 10月27日

そんなに急いでどこ行くの?

引き続き、静岡で介護師の養成に打ち込む元看護師のMさんからのお便りです。

谷田貝さま お忙しい中、お返事ありがとうございました。 タイに戻ってから、風邪気味だったとのことですが、 寒くて雨続きの日本から戻って体調を崩されたのかもしれませんね。

こちらは超大型台風が通り過ぎ、ほっと胸をなでおろしています。 谷田貝さんが静岡にいらしたときもすごい台風でしたね。 あのとき、私も講義を終えて帰ろうかと思ったときはまさに外は 「食器洗浄器」の中のようでした・・・

今回は早めに警戒して昼過ぎ には家に帰り、家中の雨戸を閉めて、台風の通り過ぎるのを待っていました。 幸い静岡市は大きな被害はありませんでしたが、日本各地で多くの方の命が 奪われたことに深い悲しみを覚えます。  

ところで、谷田貝さんのおっしゃる 「現役世代の人たちにとっての、“ちょと一息”のロングステイの方が 切実な必要性があるのではないかな?と思う次第です。 (最近、年金などの社会制度不安などからの生活防衛的なイメージしか 感じさせなくなったロングステイという言葉を使うことに抵抗を覚える ようになってきました。

早く、“バーンタオする?”というように、 提唱するライフスタイルが社会に定着したら良いなあと思います。)」  この意見、すごく納得できました。確かに、年金のような安定した収入 が得られれば、ロングステイする上で不安も少ないと思うのですが、 単純に老後が不安で物価の安いタイで生活したほうが優雅に暮らせる、 と安易に考えると、タイから得られるものが半減してしまうのではないかと 危惧する部分があります。

これは、年金生活者のロングステイを否定するものではありません。 でも、私もタイの自然や文化やタイ人からたくさんのものをもらって、 パワーを得て、新たに、日本での生活を、日本人としてのアイデンティティ を再構築することができたので、20代、30代、40代、50代、まだまだ現役で 働いている人たちに「ちょっと一休み」の時間を作ってもらって(それが なかなかできないのでしょうけど)旅行や観光ではない、「生活」の体験 をしてもらうことが、とてもよいきっかけになるのではないかと思うのです。

 日本を離れたことで、今まで意識していなかった自分の価値観や家族や 仕事に対する考え方、日本や日本人について考えることができ、自分の人生 やこれからの自分について問い直すことができました。日本での年齢や肩書 きなどから離れ(これは勝手に自分で意識してただけなのかもしれませんが) 、素の自分でいられる快適さと、自分の積み上げてきたものさえ通用しない もどかしさや不安の中で、多くの学びを得ました。

タイで生活するために 仕事を辞めたのですが、それによって得たもののほうがはるかに大きかったと 自信をもって言えます。ただ、多くの人は、守るべき家族がいたり、景気の 悪い中タイから戻って一から仕事を探すなんて簡単ではないことでしょう。 1週間の休みをとることさえ、大変なかたもいるかもしれません。

できる人 ができる範囲で無理をせず、自分をみつめ、自分らしく生きることについて ゆっくり考えることのできるきっかけになれば、それが積み重なって、老後 のロングステイにつなげていくことも可能だと思います。  NEWS23の筑紫さんはスローライフについて「スローとは時間のことでは なくて心のありようではないか。

スケジュールは忙しくても、心の中でゆっ たりする。それがスローではないか」とおっしゃっています。私も、日本に もどり、ゆっくりと生活をしている訳ではなにのですが、タイで生活するこ とにより、自分の中で大切にするものの順番がかわり、「ゆとりのきもち」 をもつことを大切にできるようになりました。

それは、むこうで暮らした 1年間が教えてくれたことです。谷田貝さんの「羽のはえた亀」はどんなに 忙しくても「心の中ではゆったりできる」ってことなのかな、と思ったりも しました。それを実行するには「ちょっと一息・・・」の経験、とっても 必要なんじゃないかな・・・なんて生意気にも思ったりします。  

なんて、タイでの生活を振り返ると、決して楽なことばかりではなかった けど、本当にタイやタイの人たちにはいろんな意味で感謝してるので、語り だすと長くなっちゃいます。谷田貝さん、ごめんなさい。もう読むの疲れて きましたよね?でももう少しお付き合いくださいね。

谷田貝さんのおっしゃる 仮説「タイで暮らし・・・」も私は本当に身をもってそう思ったので、科学的 に立証できなくても(笑)、症例研究としては成立するのではないでしょうか? そこが、必ずタイである必要はないと思うのですが、「タイで暮らしたい」と 思う人はきっと何らかの縁のある人たちで、感覚的に理屈ぬきにタイが好きに なれる人だと思うので、タイに縁のある人たちが、そういった経験をできれば とっても素晴らしいことだと思います。

私はタイには元気になるもとがたくさ んあると思いますよ。具体的に言ったらまた長くなっちゃいますし、人それぞれ でいいと思いますが、不思議なほどタイにいくと元気になります。でも、 ずーっといるんじゃなくて、日本とタイでpai pai maa maa (パイ・パイ・マー・マー=行ったり来たり 谷田貝意訳) だからいいのかもしれませんけどね。谷田貝さんはどう思いますか?  

私のタイに関する感想、掲載してくださって構いませんが、私の書いたところ、 押し付けがましかったり、知ったかぶりっぽく聞こえたりしませんか?一般読者 むけに書いたのではなく、あくまで谷田貝さん個人とのやりとりのつもりで書い たので、読んでいる方が不快に思われないか不安です。後は谷田貝さんに一任 しますので、使えそうなところだけ切り取って下さればと思います。

 今日も長い文章ですいません。2週間前、谷田貝さんとお会いすることができ たらいろんなお話しを聞かせてもらえただろうにな、と未だに残念に思います。 こちらのほうこそタイのこと、人生のこと、いろいろ教えていただきたいと 思います。メルマがも楽しみにしています! それではまた!  焦ったり、慌てていらいらしている自分に「ca riip pai nai」 (チャ・リープ・パイ・ナイ?=そんなに急いでどこ行くの? 谷田貝意訳) と言い聞かせているMより 10月22日

いかがでしたか? 読み応えのあるお便りですね。

こんなに元気になったよと・・・

今日は、昨日この欄で紹介させていただいた静岡のMさんからのお便りに対する 小生からの返事を掲載させていただきます。

こんにちは。ご返事遅くなりました。 ご丁寧な内容、ありがとうございます。 > 亀の歩みとは思えないような忙しいスケジュールをこなしていらっしゃるようです > ね。 人にスローライフを提唱している身としては、甚だ自己矛盾を感じます。 > かもしれませんが、ほとんどは気ままな生活でしたが。当初の予定の1年を過ぎて、 > 感じたことは、「もう一度社会的に責任のある仕事がしたい」「やっぱり看護の仕事 > が好き」だということでした。 現役世代の人たちにとっての、“ちょと一息”のロングステイの方が切実な必要 性があるのではないかな?と思う次第です。 最近、年金などの社会制度不安などからの生活防衛的なイメージしか感じさせ なくなったロングステイという言葉を使うことに抵抗を覚えるようになってきま した。 早く、“バーンタオする?”というように、提唱するライフスタイルが社会に定 着したら良いなあと思います。 小生は、医療の専門家ではありませんが、「タイで暮らし体験し、自然に触れ、 文化に触れ、そしてタイ人とコミュニケーションすることが、魂を揺さぶ り、身体的な健康のレベルも向上する」という仮説の元活動しています。 小生の立場では、この仮説を医学的・科学的に証明する必要はないと思っていま す。 ただ、「こんなに元気になったよ」という事例を沢山作りたいと思っています。 人生長いようでそんなに長くないので・・・。 Mさんは、タイに人を元気にする要素があると思いますか? それに限らず、これからも専門家の立場から色々とご指導くださいませ。 宜しくお願いいたします。 > 近、めまぐるしく変化する福祉の現場を見るのも楽しみのひとつです。福祉機器展、 > 私も行きたかったのですが、毎年、実習の時期と重なるのでなかなか都合がつきませ > ん。何か目をひくような機器はありましたか??? 結局時間に追われユックリ見れませんでした。 取り急ぎ福祉車両に興味があったので、日産、トヨタなどのブースを見て廻りま した。 とても一日じゃ廻りきれない規模でした。 ではまた。 10月20日 谷田貝

なんとなく往復書簡風になってきました。 あと数回続きます。

長年の夢でもあったタイの遊学に・・・

10月8日付けのこの欄で紹介させていただいた静岡のMさん。 残念ながら台風の日のセミナーにはご参加いただけませんでしたが、その後何度 かメールのやり取りをするうちに、とても興味深い生き方をされていることが判 りました。 語られるテーマは多岐に渡ります。そして得られる教訓も多いです。 特に現役世代の女性には参考になるのではないかと思います。 数回に分けて掲載したいと思います。

谷田貝様 お返事ありがとうございます。 亀の歩みとは思えないような忙しいスケジュールをこなしていらっしゃるようです ね。 現在の私の仕事は、短大で介護福祉士の養成に携わっています。といっても非常勤職 員ですけれど。もともとは看護師で、肢体不自由児の施設や、リハビリ専門の大学病 院で働いていたのですが、毎日忙しく患者さんの看護をしているうちに、いつのまに かルーチンワークのように笑顔で接している自分、時には笑う余裕さえなくなってい る自分がいやになり、少しリフレッシュして医療の世界から離れることで自分のいた 世界を見つめなおそう、と思い長年の夢でもあったタイの遊学?にふみきりました。 初めてタイに旅行に行ってから4年目のことでした。 滞在した約1年の間に、AUAという語学学校に60時間の基礎コース、あとは時々友 人とプライベートレッスンを受けながらタイ語を勉強しました。後は、チェンマイで 出会ったさまざまな人たちから影響を受けて、尼寺に修行に行かせてもらったり、タ イマッサージを習ったり、山岳民族の村にホームステイにいったり、HIVの方たち へのボランティアなどさせていただきました。というと、なんだか忙しそうに思える かもしれませんが、ほとんどは気ままな生活でしたが。当初の予定の1年を過ぎて、 感じたことは、「もう一度社会的に責任のある仕事がしたい」「やっぱり看護の仕事 が好き」だということでした。 日本に戻り、もう一度仕事をしようと考えたとき、偶然飛び込んできたのが「ホーム ヘルパー養成講師」の話でした。医療現場で学んだテクニックや考えはいかせるので はないかと、もう一度福祉の勉強をしながらケアマネの資格を取ったり、現場の話を 聞きながら試行錯誤で3年間講師を務めさせていただきました。その後また飛び込ん できたのが、現在の仕事なんです。医療の現場では生命や安全が最重視されています ので、毎日の生活をどうその人らしく楽しく生きるかについては、おろそかにされが ちですが、この仕事につくことによって、新たな世界が広がりとても楽しい毎日で す。先日、急に入った仕事は、介護福祉士の国家試験対策セミナーの講義日程が急遽 変更になったため、なくなく谷田貝さんのセミナーに参加することをあきらめたので す・・・ またまた話しが長くなってしまいました。 今日は、学生が介護実習に出ているので、施設を巡回しながら指導してきます。最 近、めまぐるしく変化する福祉の現場を見るのも楽しみのひとつです。福祉機器展、 私も行きたかったのですが、毎年、実習の時期と重なるのでなかなか都合がつきませ ん。何か目をひくような機器はありましたか???(谷田貝注:東京ビックサイ トで行われた国際福祉機器展) それでは、きょうはこのへんで。 静岡 M 10月13日

あと数回続きます。

人生をリセットするためのロングステイ

今日は名古屋から、コンビニエンスストアを経営するYさんのお便りをご紹介し ます。

毎日楽しく拝見させていただいております。お忙しい仕事の傍ら毎日欠かさずメー ルマガジンを発行するバイタリティに感服しております。 私は44歳、名古屋にてコンビニエンスストアを経営しております。 かくゆう私も開業してから11年、商売柄まとまった休みを取ることも出来ず毎 日深夜から1日中働いており、最近は少々疲れてきました。 そこでさ来年ぐらいにはいったん店を整理し、プチリタイアして半年ぐらい海外 でのんびり過ごしたいと思っております。 今はいろいろな資料を研究し、東南アジアでのロングステイを夢見ているこのご ろです。 私のように仕事にくたびれ人生をリセットするためにロングステイを考えている 中年も多いのではないでしょうか? もちろん収入が途絶えてしまう経済面のリスクもありますが、1~2年分の生活 費の蓄えがあれば実行可能だと思っています。それが次の人生へのステップにな ればまた有意義な仕事もできるのでは? 名古屋 Y

Yさんありがとうございます。 “人生をリセットするためのロングステイ” これも提唱したいひとつのキーワードですね。 ロングステイ実践者の方からの情報もお待ちしてます。女性の立場からもご意見 も拝聴したいところです。 2004年10月23日